二分脊椎をなおす方法

1. 脳神経外科
脳と脊髄の治療は脳神経外科医の仕事です。顕在性二分脊椎症では、脳神経外科医はまず、神経系を外界からさえぎることによって神経系の感染を防ぎます。次に、すべての神経組織を保存し、機能を保存する保護構造を作り上げます。生まれる前に破壊されている神経は、再び回復することはありません。生まれた時に正常であった神経が自然に修復して、動きが改善することが、ままあります。
これらの目的を達成するためにはまず背中に開いた神経をすぐに閉じることが大切です。神経が背中で開き、髄液が漏出していると、そこに細菌が入って増殖し、神経系に侵入します。もし早期に神経を閉じる治療をしなければ、機能は失われ、やがて子供は死亡することがあります。脳神経外科医は、現代のすぐれた麻酔技術を駆使して神経系の覆いを形成し、障害部位の皮膚を閉じます。
顕在性二分脊椎症の代表的疾患である脊髄髄膜瘤の子供では75〜80%に生後2〜3ヶ月以内に進行性の水頭症が発生します。脳室から髄液を排除するのに今では効果的な方法が利用されています。チューブと弁を用いて、髄液を他の部分へ導き、そこで直接排除するか、排除された部分からの吸収によって血液へ返していきます。このチューブのシステムはシャントと呼ばれ、ふつう脳から腹腔へ流します。シャントはつなぐ場所によって違った名前がつけられ、脳室—腹腔(V-P) シャントなどと呼ばれます。システムの中にある弁は頭の中の圧をコントロールし、髄液が脳から排除される場所へと一方向だけに流れるようになっています。
シャントシステムは、多くの種類がありますがそれぞれに利点と欠点があり、個々の脳神経外科医がどちらか選んで水頭症の治療に使います。
シャントがうまく働いていると頭は正常に成長し、脳の機能が正常に保たれて、知能も発達します。

2.整形外科
足や膝の変形や股関節の脱臼があれば、すぐにそれを矯正します。変形は筋肉の強さのバランスがとれていないために起こり、子供が成長するにつれて進行します。成長していく間、脚を保つ位置によってひどくなるため、早くからあて木が必要で、運動療法を持続的に行なう必要があるのです。
初期の治療は包帯、ギプス、ブレースによって最も適した位置で固定します。治療の目的は脚を最もよく働くような位置にもってくることなのです。

3.泌尿器科
泌尿器科医は新生児の腎臓や尿が通る部位の形や働きを検査します。幸運にも、生まれた時にひどい腎臓の障害があることはほとんどありません。もし膀胱括約筋が開いて膀胱内に多くの尿が残っていれば、泌尿器科医はクレーデ法という方法で排泄するよう指示を出します。下腹部を圧迫して、膀胱に圧を伝え、尿を排出する方法です。ある間隔をあけて行なうカテーテルによる尿の排泄(導尿)の方法もあります。これも小さな子供から始めることができます。これは、それほどむつかしい方法ではありませんから、両親は親類の人たちや学校の先生に教えておいて、子供の必要なときにしてもらうことができます。
カテーテル法はすべての子供にできるものではありません。腹部に手術で穴をあけ尿を出さねばならない子供もいます。この開口術により尿もれを防ぎ、腎臓の働きを保つことができるのです。

4.小児科、小児外科
子供が自立的な生活を行なうためには排便訓練が大きなステップとなります。肛門括約筋に麻痺があると、排便訓練はとてもむつかしいのですが、不可能ではありません。二分脊椎症の子供にできることは、排便の調整であって、調節ではありません。
大腸はゆっくりと便を直腸の方へ押し出していきます。この間に便から水分が吸収され、からだに帰っていきます。直腸が便でいっぱいになると便意が起こり、肛門括約筋がゆるんで、排泄のため腸がより活発に動き始めます。
二分脊椎症の子供の大腸には神経の調節がないため、いくつかの問題が生じます。腸の中の便の動きがおそいので、水分がよく吸収されて便は硬くなり、便秘になります。便が直腸に達しても感覚神経がないために、子供はそれがわからず、括約筋の調節がないために、都合の悪い時でも便が出てしまうのです。
このような排便の計画は両親や医療チームの努力によって達成されます。ときどき大腸が直腸から出てくることがあります。これを直腸脱といいますが、直腸の中へ腸を押し込んで、石油ゼリーガーゼで包めばよいのです。